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「まぁ、失敗はダレでも、あるからな、とりあえず、脱出するのが先だな」
エリカの気まぐれで、危機的な状況に陥ったのにも関わらず、豪一は怒る様子はなかった。ただ、淡々と脱出に向けて準備を整える。
「文句の一つも、言いなさいよ!!、私の判断でこんな状況に陥ってるのよ!」
エリカの方が感情的になって豪一を責め立てる、逆ギレな状態だ。豪一は準備を進めながら、エリカに問う。
「少尉殿に文句を言っても、事態は好転しないだろ?」
全くその通りだった。イラつくエリカを尻目に、豪一は脱出準備を完了した。天井の扉を開け放ち、エレベーターの上にでる。
「少尉殿、手を出しな、引っ張り上げてやる」
天井の扉口から、手を差し出す豪一にエリカは怪訝そうな表情で断わり、自らの腕力で上がってくる。
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