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「無理するなよ、少尉殿。カラダを痛めると、後がツライぜ」
それにしても、たいした馬力である。多彩な銃器の入ったボストンバックを軽々とエレベーターの天井に持ち上げる豪一の体力は、エリカから見ればギガントと大して変わりない感覚だ。
「あんたも、化け物だわ……」
「おい、おい、人をギガントみたいに言うんじゃない少尉殿!!」
「で、いつまでココにいる気?」
エリカはエレベーターシャフトを見上げて、ため息を付く。同じく上を見上げる豪一は口元に笑みを浮かべている。
「少尉殿、どうやら一休みもさせてもらえないようですな……」
豪一の視線の先をエリカはやはり目で追っていた。そこ居たのは、ゴブリンの群れ。
「全く、ゴキブリ並みだな……」
「弾薬が持つかしら……」
エリカの顔に不安の色が浮かぶ。豪一はその表情を見て、少し意外な気がした。
「不安だらけですが、いかがされますかな、少尉殿」
ゴブリン達がエレベーターシャフト内に次々と飛び降りてくる。一斉に牙を剥き出した状態で襲ってくる。
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