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エリカの身体を一気にごぼう抜きにして、ビル内に戻した豪一は、仕方ないといった表情でこぼす。
「まったく、世話の焼ける上司ですな……」
「とりあえず、お礼は言っておくわね」
「礼なんぞ、いらん、当然の行動だ」
どうにも、エリカから距離を取りたがる豪一に彼女はイラつく、仕事上の付き合いとはいえ、毎日、顔を付き合わせいれば、情の一つも湧いてくるはずなのだが……。
「少尉の"カラダ"は最高だが、"ココロ"は最低だな……」
「はぁ!?、なによそれ、そういう言い方はイラつくわ」
イライラと身体を揺るエリカを放置して、豪一はボストンバックを持ち上げ歩み出す。
「少尉殿、感情的に突っ走ると、ろくな事にならんぞ」
(ソレを誘発してるのは、ダレよ!!)
エリカは明らかに不快感をあらわにした表情で豪一に訴えているが、彼は一向に気付く様子もなく歩みを進めていた。
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