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渋谷スクランブル交差点から、空中を遠ざかる米軍のメディカルヘリを見送る、ナターシャと豪一の姿があった。周りでは、陸上自衛隊の隊員が生存者の救助とゴブリンの掃討を行っていた。
「遅かったな、ドブスレンコ大尉……」
「初動は早かったでしょ、それと、ナターシャでいいわよ」
「仕事中は、馴れ合いってのは、無しだ、大尉殿」
「堅いわねぇー、もっとも"あっちの方"もカタイから良しとしますか!?」
「親友が死に掛けてるのに、それだけ、よく冗談が飛ばせるもんだな」
「腕の一本、失った位で死なないわよ、人間は」
ナターシャは恐ろしく冷徹なセリフを表情も変えずにサラリと吐く。そんな彼女に豪一は苦々しい表情で、言い捨てる。
「あんた、何を企んでる」
「あら?、ずいぶんな言われようね……」
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