160人が本棚に入れています
本棚に追加
私とリュウスケ、最近、再会した。
リュウスケは一人暮らしをしていて、高校を出てからも、しばらくミオとつきあっていて。
私と再会する1年前、19の時に別れたらしい。
中学から二人はつきあっていたから、4年ほどつきあっていたことになる。
私は書店の店員なんていうバイトを終えると、エプロンをはずし、スニーカーからヒールにはきかえて、リュウスケの部屋に向かう。
リュウスケの部屋で食事を作って与えて、私はなんでまたこんな人と一緒にいるのかと思う。
再会は、駅で私を見かけたリュウスケが声をかけてきた。
「あ、うま。これ、うま。優花、料理うまいよな」
リュウスケはがつがつと私の作ったごはんを食べる。
「……ごはん作ってって、再会一番にリュウスケが言うから作りにきてやってんのよ?感謝くらいしてよ」
「感謝」
一言かよ…。
私は呆れて溜息を漏らす。
「……高校の頃さ…、ミオいなかったら、優花とつきあってたよ、オレ」
「また口説いてんの?」
「じゃなくてっ。……好きだった」
「過去形か。んじゃ帰るね」
立ち上がる私の足をリュウスケが掴む。
リュウスケは頬を膨らませて私を見ていた。
私はそんなリュウスケを見て小さく笑った。
最初のコメントを投稿しよう!