41人が本棚に入れています
本棚に追加
「だったらさ、馬鹿な事を考えないでさ…」
「平気なの。」
加奈子は圭介の言葉を遮る様に断言した。
「何が?」
「だって、肉を削るのに、その人間が死ななくちゃいけない、なんて事は無いでしょう?」
加奈子は諭す様に微笑むと、
「それに、貴方はもう死なない。
言ったでしょ?同じ状況の友達、って…。」
そう言って、圭介の目を真っ直ぐに見つめた。
「どういう意味?」
「………サンドイッチ美味しかった?」
「?え?」
「昨日の話し、茜ちゃんから聞いたの。
好意をもっているんでしょ?」
「それがなんだよ?
まさか、茜ちゃんだ、なんて言うんじゃないよな?さっきのサンドイッチ。」
先程のローストビーフが挟んだサンドイッチを思い出しながら、早く否定して貰いたくて仕方が無かった。
「勘が良いのね。」
否定どころか、彼女はあっさり肯定した。
最初のコメントを投稿しよう!