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私の顔をしきりに触る。口付けをしたいのだろうか?顔を晴景の方に向ける。何も言わずに唇を重ねてくる。先程した口付けとは違う。深く、激しい、お互いを確かめ合うように、何度も舌を絡め合う。
「ん…ふぅ…」
息苦しかったか、二人とも顔が紅い。無意識で晴景に誘いをかける視線を向ける。
「後悔、するなよ」
言い終わらぬうちに、晴景が私の上に覆い被さる。衣擦れの音。片手で晴景が私の帯を解き始めた。
「お前こそ、後悔するなよ。私を抱けば、お虎くんなど、眼中になくなるぞ」
「言ってくれるな。お前こそ、大名のくせして孕みたいなど言ってきただろ」
「後悔するときは一緒か…」
「そうだな」
足から胸へ晴景が撫で上げる。背筋がゾクゾクする。胸の小さな突起を摘まれ、弾かれる。初めて男と床を共にする女はこんな感情を抱くものなのか?…怖い…くすぐったいが、その先にある快感を求める。
「んっ!…っふ…」
私の足の付け根へと晴景の指が這う。必要時以外、自分でも触ったことの無い場所。
晴景の女性経験の話を聞いた事がない。本人が話さなければ解らない事だが、義元、道三とも『アイツはお虎くん以外、興味が無いから』と笑いとばしていた。
「緊張してる?」
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