酒の勢い

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晴景の問いに答えられない。ただ、怖い。 「元就」 呼ばれ、視線を向ける。優しそうな晴景の表情。顔を撫でられ、軽く口付けされる。 「怖いか?」 「少し…」 「緊張してるだろ?」 「あぁ…」 「何でも最初は怖いさ。相手が俺でも怖いか?」 答えられない。晴景を選んだのは紛れもなく私自身。一体何に対して脅えているのだ?ここは晴景の部屋だろう?目の前に晴景が居るだろう?…その、晴景自身が怖いのか…? 「お前が嫌なら、すぐに止めるが?」 「や…めないで…」 「そうか」 そう返事が返ってくると、また、まさぐり始める。体が痙攣に似た反応をする。晴景が陰裂に沿って指を這わせてくる。呼吸が荒くなる。声が出そう。ゾクゾクする。 「声を出した方が、楽になるぞ」 声を上げたい。だが、自分でも解らないそんな声を晴景に聞かせるなぞ、出来ない…! 「っ!…ん!は…んっ!」 晴景が私の中に指を滑り込ませてきた。初めて味わう圧迫感。自意識とは関係無く、中で動く指に、翻弄される。 「そ。声を出しなよ。お前のその声、嫌いじゃない」 「ばっ!こんなときに、何言って…あっ!」 一度声を上げてしまうと、断続的に声が上がる。止めたくても、止められない。
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