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これから成長期の政宗か、甥っ子のあっきー(顕景)ぐらいだしな。
お前にやるよ。少し積めれば丁度良さそうだ」
手を伸ばすと、親指の付け根まで袖がある。確かに大きい。帯の上から着物を少し引き上げる。肌蹴易いが仕方が無い。
「浴衣一枚だと、まだ寒いからな。その羽織貸すよ
歩けるか?」
片足を引きながらどうにか歩く。廊下を進むと笑い声が聞こえてくる。灯りが点いた部屋の障子を開けると、そこは酒宴が開かれ、相当出来上がっている奴もいる。男は男同士、女は女同士集まって騒いでいる。
「あら~、兄さん、元就さんの事連れてきたの~。
あらあら~?その着物、兄さんのでしょう~?似合うわねぇ~。兄さんが二人居るみたいだわ~」
声をかけてきたのは、晴景の妹、お虎くんの姉、あっきーの母である桃様。やんわりとした性格で、口調もやんわりとしている。
その横では、こっちをちらちらと見ては、きゃあきゃあ騒いでいる奴らも居る。一人は政宗公の妻である阿国殿、一人は女忍かすがの妹の玲、もう一人は…
「真田の娘が、何で居るのだ?」
「さぁ…話の合う奴が居るからなんじゃね?擬音と略語並べて騒ぐのは、いつもの事だ」
「そうか…」
手を引かれ、席へと
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