酒の勢い

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向かう。手を繋いでいるのが気になるのか、三人で隅に寄っては、より一層騒ぐ。  それより気になるのは、あのかすがだ。やたらと私の事を睨み付けてくる。 「ま、ここの酒宴じゃ、いつもの事だよ」 席に着き、晴景が軽く指差すと、お虎くんの周りには、よってたかっている奴らが居る。囲まれている本人は、明らかに怪訝そうな表情をしている。そうかと思えば、その傍で直江殿に絡んで出来上がっている柿崎殿が居る。 「はは。気にするな」 猪口を渡され、徳利から透明の液体が注がれる。私の兄が酒害で死んでから、酒を絶っているのは、晴景も知っているはずだ。なのに、何故…? 「き、気持ちだけ貰っとくよ…」 「大丈夫だ。禁酒してるのは知ってるさ。良く冷やした水だよ」 そう言われ、香りを嗅ぐ。確かに酒独特の香りはしない。喉に通らせると、全身に染み渡るようだった。 「旨いだろ」 「安芸とは味が違うな。悪くない」 晴景のほうを向き、軽く笑みを見せる。すると晴景も笑ってくれた。その、他愛もない笑顔が、嬉しかった。 「はーるかげさ、まぁ~!」 「うわ!」 突然後ろから抱きつかれる。抱きついてきたのは、さっき直江殿に絡んでいた柿崎殿。相当出来上がっている
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