病院占拠

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稲垣はこの病院に来たときから嫌な予感がしていた。 そしてその病室の前に来てその予感が当たったのだった。 その病室に書かれた女の子の名前には見覚えがあった。 俺の教え子だ…。 背筋が凍りつくのを感じる。 それでも稲垣はワザと明るく振る舞ってその病室へ入った。 「こんにちは、ちょっとお邪魔しますよ」 「あれ?先生!こんな時間にどうしたの?」 「いや、お見舞いだよ。お見舞い。 先生もたまにはお見舞いに来るよ。」 「変なの」 「そういえば、この部屋に誰かクラスメートが来なかったか?」 「ああ、そういえば…」 生徒の話しを聴いて稲垣はひらめいた。 そのベッドの下に箱が… まさか爆弾… 稲垣の顔に緊張が走る。 箱を取り出して 「大丈夫だからね」 ひきつった顔で必死に笑顔を作る。 箱は軽かった 「先生、急用ができたから。また来るからな。」そう言って病室を出る稲垣。 恐る恐る箱をゆっくり開けると、そこにはまたメッセージが…そしてまた数字の暗号が羅列されていた。
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