3人が本棚に入れています
本棚に追加
稲垣はバランスを崩して転び尻餅をつき、蒼井はエレベーターの天井にぶら下がった状態になる。
そして上の階で止まった。
悲鳴を上げる蒼井を必死で抱きかかえる稲垣…とその途端に蒼井は力尽きて落下する。
落ちてくる蒼井を支えきれず下敷きになる稲垣。
「痛たぁ…」
二人とも同じようにうめき声を上げる。
稲垣は蒼井を支え起こす。
「大丈夫?怪我は?」
「大丈夫…」
一瞬目があってお互いを意識する二人。
「あっ犯人を探さなきゃ!」
蒼井は我にかえって恥ずかしさを隠すように言った。
エレベーターを出る二人。
「してやられたなぁ。あいつエレベーターを止めて自分が逃げて隠れるまでの時間稼ぎをしたんだ。」
蒼井は握りしめてしわくちゃになったメッセージを開いた。
ラストメッセージ…
時間が来たら自殺します。
もし、これが解けたなら自首します。
そして文章のあとに例によって数字が並べられた暗号が…
そしてそのよはくには走り書きでメッセージが書かれていた。
「先生ありがとう ごめんなさい」
「この暗号はかなり長い時間を掛けて作られたもので最初の脅迫状からこのメッセージに至るまであらかじめ準備されていた計画的なものだ。
だが、最後のこの走り書きの文章…
これは今書いたものだ。
さっき君が言ってたあの生徒の動機だけど
…あいつはかなり前から自殺を考えてたんだろうな。だか迷ってる。本当は生きていたいと思ってる…助けてやろう。あいつを!」
最初のコメントを投稿しよう!