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その暗号は数学的な概念や理論がこの裏に隠された数式になっていて犯人が数学の天才であることを直感的に稲垣は感じとっていた。
「この問題は恐ろしく難解で巧妙。
大学生でも解くのは難しいだろう。
数学の天才ということから犯人はある生徒ではないかと推理します。
あの生徒は数学の成績がよい生徒として有名ですから。
蒼井先生、あの生徒は最近どうでしょうか?」
そのクラスの担任である蒼井は清楚な感じの若く美しい女性教師。
「あの生徒は…最近不登校を繰り返しています。でも、彼は確かに数学の成績は全国でもトップクラスですが、数学が好きというだけで犯人扱いするのは…」
「これを見て下さい。」
蒼井の声を遮って稲垣は最初の暗号を解いて見せる。
「この最初の数式の解9、15、9、19、5、14、19、5、9を順番にアルファベットに置き換えるとA・O・I・S・E・N・S・E・Iになるんですよ。」
解かれた数式をまじまじと見つめる蒼井。
「この生徒はあなたに助けを求めているんですよ。」
残りの数式を解いていく稲垣…
その眉間にシワがよる。
「なんてことだ…これは…爆破は9時から正午まで一時間置きに起きる!」「9時っていったらもう10分もないぞ!どぉすんだよ!」
体育教師が声を荒げ怒鳴る!
「ダメだ場所を特定できるだけの時間がない!」稲垣の表情が曇る。
「とにかく、まずは全校生徒を避難させましょう!」
蒼井が提案する。
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