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ある時から、彼の様子がおかしくなった。
ぼんやりと遠くを見つめることが多くなった。
ふとした瞬間に
会話の途中に
どこか遠くを。
私を通り越してずっとずっと向こうを見つめている。
悲しそうな瞳で。
そんな時の私は、ただひたすら
じっと黙って
静かに耐えて
彼が戻って来るのを待つ。
声をかけてはいけない気がした。
…ううん。
かけられなかった。
今思えば、この時から私は気付いていたのかもしれない。
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