狩り場へ

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しばらく走ると狩り場となるらしい沼地に到着した。 秘密の場所と言うだけあり、辺りに他のキャラクターの姿は見えない。 taku:凄いな…5年間プレイしてるけど、こんな場所があったとは…(^^;) 薄暗い沼地を巨大なワニが数頭ウロついているのが見える。 sana:へへへ~ヤツラ攻撃力が高いだけで特に注意する点も無いの♪ 他のプレイヤーが居ないという事は近辺の獲物を独占できる。 体力や魔力が減った状態で無理して戦闘に入らなくても、獲物が居なくならないのでマイペースで狩りが出来るのだ。 人気の狩り場では獲物の取り合いになる状況になり、満足に稼げない場合もある事を考えると、正に穴場だった。 sanaのプレイヤーとしての技術は俺の思った通りかなり高く、回復してくれてるタイミングや技をだすタイミングが絶妙だった。 その為に戦術についての相談も必要無く、チャットでは雑談しながらの狩りができた。 即席のパーティーとしては珍しい事だ。 sana:そろそろ時間ね(^-^) 声をかけられてから丁度2時間が経った頃だった。 sana:takuウマいじゃん! sana:takuさえ良かったら明日からも相棒に♪ taku:俺はsanaの相棒選抜試験に合格できたらしいね(^^) sana:ま、ギリギリだけど(笑) taku:なんだと!(笑) sana:んじゃ、あたしココでログアウトするね~♪ sana:また明日(^^)ノシ そう言い残してsanaのキャラクターは姿を消した。 (男…じゃねえのかな…) ネットの世界の性別なんか、気にするのもバカらしい。 そんな事は理解している。 とりあえず今夜は想像以上に稼げた。 いつもの仲間に自慢気に報告だけして、俺もバイトに備えてログアウトした。
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