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「イスピン?」
「うわっ、マキシミン!?いつからそこに!?」
この家の主であるマキシミンよりも、訪問者であるはずのイスピンの方が驚きが強かったことにマキシミンは苦笑する。
「“いつから”って、それは俺のセリフだろ。ここは俺の家だろうが」
「あ──確かに……迷惑だった?」
「そうじゃねぇよ。いつから来てたんだ?」
「うん、ついさっき。昨日、マキシミンが帰ってくるってベクレールさんに聞いていたし、どうせご飯も食べずに寝たんでしょ?だから、たまにはご飯でも作ってあげようと思って。待ってて、もうすぐ出来るから♪」
「まずいもん食わせんなよ」
「任せといて♪」
腕をまくってポーズをとると、イスピンはまた朝食を作る作業へと戻った。
けれど、さっきの歌声はもう聞こえない。
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