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『くぁ‥‥』
あー、だめ‥眠い‥‥。
裏庭につき、一際高い木を見上げる。
『‥んー‥、のぼるのめんどくさい‥‥』
なので、その場で少しぴょんぴょんと跳ねる。
よし、足場は平気‥。
グッと足に力を入れて、跳ぶ。
『‥っと。』
スタン、と枝に着地する。
『では、おやすみ‥なさ‥‥‥ZZz』
幹に寄りかかってmyお休みセットを取り出す。
即座に意識が完璧に沈む。
◇ ◇ ◇
「‥‥‥!!‥‥~!」
どこかで、誰かが騒いでる。
‥‥人の安眠妨害する奴、猫に食われてしまえ。
とは言っても、眠気が少しばかりどっかいっちゃったので、目を開ける。
「なんでアイツみたいな野蛮人がテニス部マネージャーをやってるの!?」
「幸村様も何をお考えなのかしら‥!!」
「こうなったら‥!私達ファンクラブが、あの野蛮人からあの方達を救ってあげましょう!」
どうやら私が寝ていた木の下で、えと‥、ふぁんくらぶ?って言う人達が叫んでたらしい。
『(‥てにすぶは、あなたたちの"もの"みたいないいかただね。)』
ま、私は関係無いからイイや。
マネージャーさん、がんば。
そんなことを考えてるうちに、ファンクラブのおねぇさま方はいなくなっていた。
もう一度寝ようと目を閉じた瞬間、
「ジロー!おーいジロー!‥‥‥ったく、どこいきやがったんだ?アイツ。」
「宍戸さん、今日は裏庭にはいないんじゃないですか?」
また、声。
怨んでやる、ジーザス!
ひょこ、と下を覗くと、銀髪のワンコと‥青帽子のご主人様みたいな二人組。
‥だれ?
「だぁあああ!!屋上も裏庭にもどこにもいないんならどこにいんだ!!」
ガンッと八つ当たり気味に木を蹴る青帽子さん。
その衝撃でグラリとバランスが崩れる。
『‥っ、!』
「宍戸さん!木に八つ当たりしちゃダメですよ!」
「あ‥わりぃ‥」
ポリポリと頬をかく青帽子さん。
‥‥って、なんで私落っこちてないんだ?
「だいじょぶ~‥?危なかったねぇ~‥」
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