どうなる、文化祭

3/18
21825人が本棚に入れています
本棚に追加
/446ページ
「それにしても、玲、昨日はこのバカが世話になったわね」 楓が裕也を指さしながら玲に言った。玲は思わず苦笑いする。 「ああ、別に。それに、俺はほとんど何もやってなくて、実際は「わたしが見てたのよ」 玲が話していると、玲の後ろから詩音がひょっこり顔を出すようにして言った。 「しかもその時の裕也の眼といったらね~」 詩音がニヤニヤしながら玲を見ている。話を合わせろという意味らしいのを玲は詩音の表情から察した。 「そうそう。なんていうか、なめ回しているような……」 「ちょ、玲……」 裕也が焦り始めるが、玲はお構いなしに続ける。 「俺じゃなくて、可愛い子に教えてもらってラッキーみたいな眼してた」 玲が全て言い切る前に、裕也は走り出した。そのあと楓が裕也を追いかけていった。 「あーあ、行っちゃった」 「速いよ楓~」 拓海と愛は走っていった二人を追いかけるようにして先を急いだ。 玲は暑い中急ぐこともないだろうと、マイペースで歩き続ける。詩音も玲とともに歩いていた。
/446ページ

最初のコメントを投稿しよう!