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「それにしても、玲、昨日はこのバカが世話になったわね」
楓が裕也を指さしながら玲に言った。玲は思わず苦笑いする。
「ああ、別に。それに、俺はほとんど何もやってなくて、実際は「わたしが見てたのよ」
玲が話していると、玲の後ろから詩音がひょっこり顔を出すようにして言った。
「しかもその時の裕也の眼といったらね~」
詩音がニヤニヤしながら玲を見ている。話を合わせろという意味らしいのを玲は詩音の表情から察した。
「そうそう。なんていうか、なめ回しているような……」
「ちょ、玲……」
裕也が焦り始めるが、玲はお構いなしに続ける。
「俺じゃなくて、可愛い子に教えてもらってラッキーみたいな眼してた」
玲が全て言い切る前に、裕也は走り出した。そのあと楓が裕也を追いかけていった。
「あーあ、行っちゃった」
「速いよ楓~」
拓海と愛は走っていった二人を追いかけるようにして先を急いだ。
玲は暑い中急ぐこともないだろうと、マイペースで歩き続ける。詩音も玲とともに歩いていた。
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