記憶のカケラ

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私は頭の痛みをこらえ、今目の前にいる人をじっと見た。 少しずつ、おさまってきた頭痛をじっとこらえていたからなのか、私の頬を涙が伝って枕を濡らす。 「…そんなに痛むのか?」 私の目の前にいる人(男)は、私の頬を濡らした涙をそっと拭いながらポツリと、呟くと優しく髪を撫でた。 (…この人…優しい…でもなんだか悲しそう) 私はぼんやりとそう思えてしまったことに驚いた。私がこの人を見て何かを思い出しそうになったことも関係があるかも知れない。 私は、この人と話してみたい、話してみようと声を絞ってみた。
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