~第一部~ ②

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車両が別荘の敷地内に入っていく。 玄関前には手を上げてこちらに合図を送る天乃さん。 ちょうど天乃さんの正面に車が停車する。 俺はすかさず下車し、後部座席のドアを開ける。 この後部座席を開ける行為、新人の頃は <なんで俺がこのオヤジのために・・・> と不服でいっぱいだったが、今となってはもうどうでもよくなり、当たり前のようになっている。 「随分と遅かったな」 と、着くなりそう言う天乃さん。 「はい、道が混んでいたもので・・・今日は休日ですからね」
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