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「お帰り~」
ゆう君が帰って来た時も、私は作り笑顔で迎えた。
平静を装うと決めたのに、心が揺れ動く・・
「ねえ、律子とはただの浮気だよね。一時の気の迷いだよね?本当に愛しているのは、私だけだよね。」
ゆう君にすがって、本当はそう聞いてみたかった。
今日、ゆう君が早く帰って来たら、私の決意が固まってなかったら、私は不覚にもそう口走っていただろう・・
悟がうれしそうに、ゆう君に抱きついている。
「愛してる」
愛してるって何だろう?
「本当に愛しているのは、もちろん沙織だけだよ」
そう言われても、私の心は二度とときめくことはないだろう。
今朝までは、あんなに愛していた人なのに・・・
ゆう君がいなくなったら、悟はどれだけ悲しむだろうか。
たまらなくなって、私はトイレに駆け込んだ。
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