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平日の難波は、休日とは違い、静かな空気が流れていた。
ゆう君も悟も「早く帰ろう😔」しか言わないから、ゆっくりウインドショッピングできていいんだけど・・・
あーあ、でも一人も案外たいくつなものね。
こんな日に限って律子も用事があるなんて、ついてない。
えっ?
そう思った瞬間、私は反射的に、柱の陰に隠れていた。
私の眼は中年の男女をとらえ、心臓の鼓動がドキドキ波打っている。
ゆう君と律子??
まさかねー
ゆう君は今朝「今日は神戸で1日研修で缶詰。うんざりだ」と言っていた。
でも否定しようとしても、動揺がおさまらない。
他人のそら似かもしれない。
そう思おうとしても、心によぎった不安が消えない。
後ろ姿の二人に見覚えがあったから・・
「やだ偶然。どうしたん?二人も偶然会ったん?」
二人を追いかけて、そう声をかけることもできたと後から何度そう思ったことか・・
声をかけることができていたら、こんなことにはならなかった。
でも、できなかった。
後ろ姿でさえも二人が、親密なことがわかったから?
一番信頼している二人だった。いつも優しい自慢の主人と高校からの親友。
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