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ふいに二人は、私の視界から消えた。私の最後の望みは完全に断たれた。
夫の浮気相手が、律子でなければ、きっと私は衝動的にホテルの入り口に駆け出し、夫の頬を平手打ちしていたことだろう。
立ち止まっていた私の足元が、音もなく崩れていく。
裏切られた・・・
絶望、喪失感、怒り、悲しみ
涙があふれてとまらなかった。
悟が帰って来る。
帰らなきゃ・・・
愛しいわが子を思うことで、どうにか私は精神を正常に保っていた。
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