ファン第1号

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1週間後の土曜日。   あたしの一人暮らしの家に、美晴と律ちゃんと3人でいた。     「いよいよね!」     「この前はビックリしちゃったけどね」     チケットを見ながら楽しそうに話す2人に、コーヒーを渡しながら口を開いた。     「はぁ…何か緊張するよ。 この前なんて転けたとこ見られちゃったし…」     あの時はそれどころじゃなかったけど、冷静に考えればかなり恥ずかしい。     「でも佑飛さんがあんなキャラだったなんて意外だわ。 亮さんカッコ良かったし」     「確かにあんな可愛い感じの人だったなんてね。 真人さんも気さくな感じで良かったよね」     美晴は亮さん、律ちゃんは真人さんのファンだ。   そして、あたしは……。     「夕なんて憧れの佑飛さんに触っちゃったし! 確か中2の時からファンなのよね? 私と律ちゃんはデビューしてからだけど」     「うん。 でも、あたしの事なんて覚えてるはずないしね」     大勢の中の1人だったし、特徴があるワケでもないから、覚えられてなくて当然だ。   そんな話をしながら時間をつぶし、開演に間に合うように家を出た。    
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