ファン第1号

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あたしが転けても、押し合いは止まらない。   踏まれたせいか、転けたせいかは分からないけど、足が痛くて立ち上がれずに座り込んでいた。   このままじゃ潰されるっ!!   HEMELは好きだけど、ライブで圧死とか有り得ないから!!   そんな風に思っていると、佑飛さんがステージから飛び降りようとした。   キャーキャー騒ぎだすファンの子達は、佑飛さんに触ろうと必死だった。   そりゃー、もう鬼のような形相で。   すると亮さんがマイクに向かって口を開いた。     「みんな落ち着いて。 怪我した子がいるみたいだから退いてね」     へー、怪我した子がいるんだぁ。   …そりゃ、こんな状況なら何人か怪我してるよね。   あたしはノンキな事を考えていた。   ファンの子は、声がいつもより少し低く、威圧感のある亮さんに迫力負けしたのか少し大人しくなった。    
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