ファン第1号

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「たー子は泣き虫だね。 ライブ中も泣いてたし」     「えっ!? 気付いてたんですか!?」     涙を拭いながら驚きのあまり声を上げた。   300人もいて、ひしめき合っていた中でまさか泣いている所を見られるとは思わなかったから。   何か今日は驚いてばかりな気がする。   そんなあたしを見て、ニコニコ笑う佑飛さんに恥ずかしくなり声をかけた。     「あの…本当にありがとうございました。 あたし達これで失礼します」     「それは無理じゃないかな?」     何で無理?   意味が分からないあたしは、佑飛さんが見ている方向を見た。   …………忘れてた。   あの2人…あたしに負けず劣らずのHEMELファンなんだよね…。   視線の先には、さっきまで固まっていたのが嘘のように、亮さんと真人さんと話している美晴と律ちゃんがいた。    
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