夢のような時間

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「堀川美晴、21歳です!! ずっと亮さんのファンです!! 今日はこうやって一緒に飲めて嬉しいです」     意志の強い目を細めて笑う美晴は、いつも以上に綺麗に見えた。     「加藤律子、この間21歳になりました。 私は真人さんのファンです。 今日はお誘いいただきありがとうございます」     歳よりも落ち着いた雰囲気の律ちゃんは、色気アップで女のあたしでもクラッとしそうだ。   そして、いよいよ…出来るなら避けたかったあたしの番になってしまった。     「あの…一ノ瀬夕です。 20歳です。 今日は、あたしのせいでライブ中断させちゃってすいませんでした。 おまけに手当てまでしてもらっちゃって…」     カァッと顔が赤くなるのを実感しながら、何とか声を出した。   苦手なんだよなぁ…こういうの…。   そんな事を思いながらも、自己紹介という任務をやり遂げた。   はずだったのに……。    
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