第二話:夜会

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「美奈斗様、お呼びですか?」 五時、王室へと亜耶が入って来た。 後ろには、スーツを持った純も一緒だ。 「よく来たわね、亜耶。早速だけれど、支度を手伝って」 濡れた長い黒髪をドライヤー乾かしながら、亜耶を歓迎する。 亜耶もニコニコしながら、純からスーツを受けとった。 そして。 「亜耶、こちらも」 そう言って、亜耶に紙袋を渡す。 「スーツといい、これといい…せっかくお嬢様のお綺麗な姿を楽しみにしていましたのに」 亜耶は残念そうに呟くと、美奈斗と共に着替えを始めた。 純は、部屋から出ていく。 「どうしてドレスではないのですか?よりによって男装など…あぁ、私のお嬢様が……」 「問答は無用よ。さ、早く支度を済ませるわ」 まず、美奈斗の胸にさらしを巻く。 胸があったら女だとばれる。 ワイシャツ、背広。 亜耶は手際よく支度を済ませる。 「それでは、髪を…」 紙袋からそれを取り出す。 それは、かつら。 美奈斗の長い髪を全て上げ、ヘアピンを使って留める。 そうして、かつらを被せる。 「まぁ…やはりお嬢様は何を着てもお似合いです」 亜耶はうっとりと言った。
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