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どこから見ても、美奈斗は男に見える。
だが、どうしても顔だけは少女のようだ。
「あら、心配は無用よ。今夜の夜会は『仮面使用』だもの」
美奈斗は疲れたように、ソファーに腰掛ける。
足を組み頬杖をつくと、さらに男―――否、少年に見える。
真実、美奈斗は15歳だ。
しかし、最初にも書いたが彼女はかなり幼い容姿をしている。
そのわりには、雰囲気が優美だ。
「準備は整いましたか?」
亮がドア越しに尋ねてくる。
「どうぞ」
美奈斗は声をアルトにして言った。
本当に少年のようだ。
ドアを開けると、亮と純が入って来た。
無論、二人も正装している。
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