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「亜耶は夜会に行くのか?」
純が聞くと、亜耶はいいえと答えた。
「私はここで待ちます。きっとまたお嬢様のお部屋は散らかっているでしょうから」
母親のような台詞だ。
美奈斗と同い年でありながら、亜耶はずいぶんとしっかりしている。
「余計な事、言わなくていいわよ」
美奈斗は亜耶に釘をさし、純と亮に向き合った。
「それでは、参ろうか」
スッと目を細める。
すると、美奈斗が纏う雰囲気ががらりと変わる。
「仰せのままに、陛下」
純は一礼した。
美奈斗は二人の間を抜け、王室の出口へと向かう。
「お嬢様、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
亜耶の声を背に、王室のドアは、閉まる。
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