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「見苦しい。私が相手をしよう」
美奈斗は二人に見向きもせず、女の集団へと向かう。
その後を二人は慌てて追った。
「あのっ…どちらのお方ですか?」
「わたくし、二年生の真希(マキ)と申します」
次々に美奈斗を囲む女達の目に映っているもの。
それは。
(大方、玉の輿に乗りたい奴ら。だから純や亮には寄って行かない…汚らわしい、な)
内心で思っているものの、それを表情に出しはしない。
そんなことをしてしまえば、情報収集が出来なくなってしまう。
「こんばんは、お嬢様方。私は校外から参りまして」
嫌々ながらも返答を続ける。
すると、一人の女が純に近寄る。女と言うより、少女だ。
「あなた…純…君ですよね?」
「どうして?」
「やっぱり」
少女はやんわりと笑うと、純の腕を引いて歩き出した。
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