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「お前が…魔女だと…?」
純は訝(いぶか)しそうに沙耶を睨み据える。
だか、沙耶はそれに怯むことなく純に微笑みかけた。
「そんな怖い顔しないで。同士が引き寄せられるのは道理でしょ?」
「俺はお前が『魔女』だと言うことが信用できない」
「あら、失礼ね」
沙耶ぷうっと頬を膨らませると、首に下がっているきらびやかなネックレスを力任せに引きちぎった。
切れた境目から、ぱらぱらと真珠がバルコニーに落ちる。
「おい…」
さすがに焦った純は、慌てて落ちた真珠を拾おうと身を屈めた。
沙耶のネックレスはかなり高価なものだ。
大分まずい。
「…!?」
落ちた真珠の一つに触れようとしたが、反射的にその手を引いた。
右手を緩く上げた沙耶の髪が揺れる。
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