第二話:夜会

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開かれた沙耶の右手の平から光がほとばしる。 「な…ッ……!!」 落ちていた数十粒の真珠は、全て白い鳥に変わった。 鳥は羽を落しながらも、夜空へと羽ばたいて行く。 そして立ち上がり姿勢を正した純が見たもの。 白い大きな鷹が沙耶の肩に止まっていた。 「冗談だろ…」 「本当よ」 沙耶は穏やかな笑みを崩さずに答えた。 だが、まだ純は信じようとしない。 「手品か何かだろ?王妃に近づきたいがための」 するとさすがの沙耶も腹が立ったようだ。 すっと瞳を細める。 その仕種は美奈斗と似ていた。 「まだ…信じないのね」 沙耶は自分の髪の毛を抜くと両手で握った。 そして、手を左右に伸ばす。 光を帯びたそれは鎗(やり)へと形を変えた。 「……ッ!?」 一瞬の間合いだった。 沙耶の攻撃は純の喉元を確実に捕らえている。 純には後ろに引く間もなかった。 「信じてくれた?」 ゆっくりと沙耶の口元が緩む。 「お前は何を望む…?」 「私?」 沙耶が答えようとした時だった。 バルコニーの扉が勢いよく開く。
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