第二話:夜会

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「私の従者を離してもらおうか」 バルコニーに飛び込んできたのは美奈斗と亮だった。 「あら。王妃様」 沙耶は嬉しそうに言った。 だが美奈斗は何も答えない。 「あっ…今は『陛下』でしたわね。私としたことが…申し訳ありません」 美奈斗と亮は息を呑んだ。 沙耶の微笑は、凍りつくように冷ややかだった。 純の首から切っ先を離さず、沙耶は視線だけを美奈斗の後ろに動かす。 そこには白い鷹が音も無く、飛んでいた。 「もう一度言おう。純を離せ」 「あら嫌よ。……どうしてもと言うなら、私と戦いましょう―――」 沙耶は純に向けていた鎗を美奈斗に向けた。 美奈斗はやれやれと言うように肩を竦めると、己のネクタイを外す。 そしてそれを右へと振る。 一瞬青い光が走り、ネクタイは剣へと変化した。
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