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「忌ま忌ましいわ」
王室に戻ってきた美奈斗は、着ている洋服を脱ぎ散らかしていた。
その後を慌ただしく亜耶を追う。
「お嬢様、殿方の前ですわ」
「大事ないわ。純、亮、下がりなさい」
ついにはワイシャツまで脱ぐ直前に、二人の男子は部屋から姿を消した。
美奈斗はそのままバスルームに入る。
上で止めていた髪を解き、シャワーを捻った。
未だ冷たい水が美奈斗を濡らす。
「全く……あの女は何?邪魔だと言ったら…」
結局、情報もあまり取れなかった。
むだ足だったな、と思いながら湯舟に浸かる。
「片割れ?笑わせるわ。私は一人で存在する人間よ。ましてや双子でもないのに」
思い付かなかった訳ではないが、やろうとしなかった事をするしかない。
しかし『それ』を実行するのはかなり面倒だし、身の危険が測れない。
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