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下駄箱について靴に履き替え、俺は学校を後にした
このまま家に帰っても暇だなぁと考えているところに後ろから俺を呼ぶ声がした
「ゆう君まってよー」
後ろを振り返ると大河内さんが危なっかしい走り方で俺に向かってきた
あれこけるぞ……
と思った矢先に、案の定大河内さんは転んだ
「ふぐっ」
あ~あやっぱり転んだ
俺は大河内さんのところまで戻っていき、声をかけた
「大丈夫か?」
「うん…大丈夫。よくあるし」
どうやらよくこけるらしい
「エヘヘ……これじゃあゆう君にまたばかにされちゃうね」
そう言って大河内さんは顔をあげた。どうやら怪我はしていないらしい
「ほら」
そう言って手を差し出すと俺の手を掴み大河内さんは立ち上がった
「なぁそのゆう君ってなんだ?俺たち前に会ったことあったっけ?」
俺は疑問に思っていたことを聞いてみた。実際記憶を探っても全然思い当たらないし、以前誰かにゆう君と呼ばれたこともなかった
「やだなぁゆう君忘れちゃったの?私だよ。私。梨沙ちゃん」
「だから誰よ?」
「……ほんとにわかんないの?」
俺はこくりと頷いた
「えぇー!ほんとに?ほんとのほんとに?!」
大河内さんはかなりびっくりした感じになっている
ていうか俺のほうがびっくりだ
「だから知らないって言ってるじゃん」
「うそ……それじゃあ結婚の約束とかも覚えてない?」
「はぁ!?結婚!?なんだそりゃ!?」
俺には大河内さんの言っている意味が全然分からなかった
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