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保健室では優しい先生が待っていた。
だけど優しいのも最初だけだった。
いきなり馴れ馴れしく名前を呼び捨てで呼ぶのも嫌だったけど、あの作り笑顔も嫌だった。
ある日、じっくり話を聞いてもらえることになった。
クラス、家庭、人生。
どれから話そうか。
何を話そうか。
でも、いざ話すとなると
なぜか涙が出そうになって、話せなかった。
泣きたくなかった。
泣くのが恥ずかしかった。
だから必死に涙をこらえて、ただ笑顔を作って相づちを打っていた。
大人が嫌いだ。
大人が嫌いだから、自分の弱い面をさらけだしたくなかった。
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