刑事・峰岡 悠仁

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「あー…暑ィなぁ…」 ミーンミンミンミン 劈(つんざ)くように蝉が鳴く中を峰岡 悠仁(みねおか ゆうじん)は現場に向かって歩いていた。 「しかし夏になるとガキの犯罪率が高いなぁ…」 峰岡は生活安全課に所属する刑事だった。 まぁ専ら少年事件の担当だが。 峰岡の風貌、性格、態度、経歴…そのどれをとっても警察とは言い難いほどの不良刑事だが、何故か不思議と慕う者も多かった。 「もう三十路なんだからガキの扱いなんざわかんねーっつーの!」 現場の本屋に着いた峰岡は慌ただしく捜査に当たる後輩に挨拶をする。 「おーす」 「峰岡警部!お疲れ様ですっ」 こいつもその中の一人。 峰岡を慕って止まない新米刑事の荒巻だ。 まだ入社二年目の荒巻は、現場での捜査の度に峰岡に泣きついてくる。
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