惑う少年、戸畑カズオ

2/5
前へ
/16ページ
次へ
また、いつもの朝が来る。あいつが俺を起こしに来る。眠れない夜が続く…… 「カズオ……まだ寝ているの?」 耳元で声がする。 「じゃあ……食べちゃおうかしら?」 ……! がぶり……… マキコは、そう言うと俺の耳に噛み付いた。 耳が、じわりと熱くなっていく。どうやら出血しているようだ。 ペロペロ…… マキコは俺の血を、美味しそうに舐めている。 怖い。彼女が。 彼女の言動、行動の全てが……俺の心を締め付ける。 そう。 彼女を、そうさせてしまったのは俺だから……
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加