惑う少年、戸畑カズオ

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「ん……」 俺は目が覚めたフリをする。 彼女に俺が起きたと教える為に。 「おはよう。マキコ。」 「おはよう。カズオ。早く学校に行く用意しなよ。」 「あら、大変!耳から血が出てるじゃない!どうしたの?」 ……マキコは二重人格だ。 マキコが俺を起こしに来るときは…… 必ず”彼女”が現れる。 そして、俺が目を覚ますまで、首を締めたり、 あるいは俺を爪で引っかき傷口を舐めたり…… それを毎日毎日繰り返す。 毎日毎日毎日毎日毎日 眠れない。 眠れない。 俺は”彼女”が怖い。 ………マキコが怖い。
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