惑う少年、戸畑カズオ

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学校に着いた。 俺達は教室に入る。 席に着くと隣には、 先日このクラスに 転入してきたばかりの 黒崎さんが居た。 「おはよう。黒崎さん。」 「…………」 返事がない。 それどころか彼女は、 こちらを見向きもしない。 表情すら変えない。 無視ってやつだ。 クラスの女子が俺と同じ様に挨拶をした。 「おはよう。黒崎さん。」 「おはよう!宗像さん!嫌やな!黒崎さんやなんて、ウチの事はフユミでええよ!」 ……と、こんな調子だ。どうやら俺だけじゃなく、男全般が無視の対象らしい。 そのせいで転入した初日から彼女は男子から評判が悪かった。 見た目はとてもかわいらしいのに。 対象的に女子からの評判はいい。 俺は彼女の態度が気になっていた。
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