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「黎深ー悠舜ー。鳳珠様の許可おりたよー」
相手が年上で、その上官吏であっても全く気にしないのは、生まれ育った環境が彼らよりも上の立場なせいだろう。
なんせ、縹家の娘なのだから……
意味もないのに何度も来てる黎深に、案内は不要だ。
だから、由佑はお茶をいれに厨所(だいどころ)へ向かった。
(えーと、今日は悠舜がいるから……あ)
手に取った茶瓶は、殆ど空っぽだった。
(チッ……しょうがねぇ、買いに行くか)
取りあえず別の茶瓶を手に取り、手早くお茶を入れる。
調度通りかかった使用人を呼び止め、お茶運びを押し付けた。
そして、由佑は切らしたお茶葉を買いに、町へ出掛けていったのだった。
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