第一章

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「黎深ー悠舜ー。鳳珠様の許可おりたよー」 相手が年上で、その上官吏であっても全く気にしないのは、生まれ育った環境が彼らよりも上の立場なせいだろう。 なんせ、縹家の娘なのだから…… 意味もないのに何度も来てる黎深に、案内は不要だ。 だから、由佑はお茶をいれに厨所(だいどころ)へ向かった。 (えーと、今日は悠舜がいるから……あ) 手に取った茶瓶は、殆ど空っぽだった。 (チッ……しょうがねぇ、買いに行くか) 取りあえず別の茶瓶を手に取り、手早くお茶を入れる。 調度通りかかった使用人を呼び止め、お茶運びを押し付けた。 そして、由佑は切らしたお茶葉を買いに、町へ出掛けていったのだった。
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