序章

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何処へ行くのかと問われても、答えることは出来ない。 あてもなく、ただ歩き続けた。 降り積もった雪は、もう膝下の辺りまできていて、素のままで雪に突っ込まれている足は、もうとっくのとうに感覚を失っている。 それでも彼女は歩き続けた。 たった一つの、小さな約束を守るために。 大切なものを、失わないように。
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