第一章

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気付いた時にはもう、私は貴陽に来ていた。 ……結局住み慣れた場所が一番ってことか。 そんなことを思えば、自然と自嘲の笑みが浮かんできた。 寒さと空腹と疲労でいっぱいのこの体を、今まで支えていたのはいったいなんなのだろう? ついに膝が折れた時、目の前には誰か知らない人が立っていた。 (うわっっ  ちょ、何これ……  まさかお迎え?もうお迎え来ちゃったの?) 後から思えば、目茶苦茶馬鹿げたことを考えていたみたいだけれど、はっきり言って無理もないと思う。 私の目の前にいる『誰か』は、とてもこの世のものとは思えない程の超絶美形だった。
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