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暗い地下牢。汚れたベット、簡易トイレしかない狭い部屋に長い黒髪の少年がいた。
少年は汚れた長ズボンの姿でベットに座っている。
その体は痩せており、肋骨の骨がくっきりと見え、斬り傷、擦り傷、火傷の跡が沢山見られる。
少年は上流貴族の次男として双子の妹と共に生まれた。
少年の方が先に生まれ、その日から五年間何事もなく、幸せに暮らしていた。
兄も優しく、妹はいつも少年の側から離れず、笑顔が絶えなかった。
父は無愛想だが、厳しく、優しさもあり、母は父に怒られて泣いている少年を抱きしめてくれる母を少年は好きだった。
だが、その幸せな日々は五年しか続かなかった。
魔力測定の日、少年に魔力が無いことがわかり、その日から家族、メイド、執事は他人のように接した。
それならまだ良かったのだ。
日を重ねるごとに少年に対して嫌がらせ、虐待が始まった。
そしていつの間にか地下の牢屋に監禁されていた。
少年は十歳。地下牢の暮らしが四年ほど続いたある日の夜。
「腹減った…」
少年は腹を摩りながら呟いた。
部屋には時計がなく、太陽の光も入らない。
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