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「それでは紅、いっきまーす!」
某MSパイロットの名セリフを叫ぶ姉ちゃんと共に、ムニュムニュと柔らかいマシュマロみたいな感触が背中に感じられた。
ま、まさか…
「あんっ、動かないで…感じちゃう。」
姉ちゃんから艶めかしい声が発せられる。最悪の事態が頭の中を駆け巡った。『お胸様』だと…
「ね、姉ちゃん…ブハッ!」
むやみに振り返ったのがいけなかった。振り返った瞬間姉ちゃんの胸の突起が見てしまった。
色鮮やかなピンクだったわけで…
「イヤン! まいっちんぐ!」
鼻血を出し薄れゆく意識の中、古いギャグをやる姉ちゃん。
気を失う前に一言だけ言いたい。
姉ちゃん、それ古すぎ……
「い…と……行人!」
姉ちゃんの声に段々と意識が戻ってきた。
「こ、ここは…」
目を開けると見慣れた天井が視界に入ってきた。
と、同時にベッドに寝ていることが感触でわかった。どうやら自分の部屋にいるようだ…
「行人が鼻血出して気絶したから運んだの。」
ひょいっと視界に現れた姉ちゃんがこれまでの経緯を話す。
納得はした。
ただ、風呂から出たってことは……
「ふ、服!?」
バッと体を起こして服を着ているか見る。よかった服は着ているみたいだ…
でも、よく考えたら…
「姉ちゃんまさか見た?」
体を手で隠しながら姉ちゃんに言った。
「大丈夫! そこは我慢した!」
グッとサムズアップしながら話す姉ちゃん。
キラッと光る歯が眩しいぜ!
でも姉ちゃん、普通は見ないものですよ。
「そうですか、悪いけどこのまま寝るよ。」
姉ちゃんにそう言うと、右腕で目を隠す。
何か色々ありすぎて疲れた…
「わかったわ、おやすみ。」
それだけ言うと姉ちゃんは部屋を出て行った。1人になった空間で落ちるように眠りに就いた。
「ふふふ、行人の意外と大きなかったなぁ。」
部屋を出ていった所で姉ちゃんが手で口を隠しながら笑う。
実はすべてを見ていた姉ちゃんであった。
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