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俺達の最寄り駅の近くにはショッピングモールがあり、そこには百店舗も店がひしめく。
ショッピングモール『Autumn Fall.』
駅に隣接するように建設されてビル四階の高さ、全長は800メートルにも及び規模は…ご想像にお任せする。
その中にある服屋にいた。理由はただ1つ…
「ねぇねぇ行人!これ似合う?」
姉ちゃんだ…
「あー、似合う似合う。」
カーテンを引いて試着室から出てきて、モデルみたいにポージングを決める姉ちゃんを、素っ気ない返事で返す。
「もう! ちゃんと心を込めて答えてよ!」
腕を組みプイッと顔を横に反らす姉ちゃん。
子供みたいな反応するなよ…
「とっても似合うよ。」
拗ねられても困るので、笑顔で言い直す。
俺、あなたの彼氏じゃないんですけど…
「そうかな? じゃあ、コレ買ってくるよ!」
今度はパァッと明るくなり、カーテンを戻し再び試着室へ入っていった。
「単純というか純粋というか…」
はぁ~っとため息を吐き、ガックリと肩を落とす。
あ、どうも龍ケ崎 行人です。
今、姉ちゃんと買い物に来ています。
え? 仲がよろしいようで?
いやいや、とても大変ですよ。
まぁ、回想どうぞ!
「行人、GoodMorning!」
バタンッとドアを開ける音が聞こえてきた。それと同時に目も覚めてしまった。多分、姉ちゃんが部屋に入ってきたんだろう。
悪いけど狸寝入りさせてもらう。
せっかくの日曜を邪魔されたら困るからな!
「行人、起きて~~!」
そう言って姉ちゃんは俺の体を揺する。
我慢だ我慢! その内諦める……
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