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ここまでが回想…
今はさっき行った服屋で買った荷物を持っている。
まぁ、一応姉ちゃんとはいえ女性だから…
それにしても…
「買いすぎじゃね?」
手に一杯の荷物を持ちながら3歩前を歩いている姉ちゃんに言った。
「だって行人が似合うって言うから…」
「まぁ、いいけどさ…」
俺の質問に振り向き胸の前で人差し指をツンツンする姉ちゃんに呟きながら言う。
それを見て俺は怒る気も失せた…
昔から俺が似合うと言うとすぐに買ってしまうのが姉ちゃんの悪いクセだ。
ま、それも嬉し…って何言ってんだ俺!?
「行人~! もう一軒行きたいお店があるんだけど…」
片腕に抱きつきながら姉ちゃんは猫なで声で言った。
それは良いが人差し指で胸を撫でるのは止めてほしい。
「どこ行くの?」
「まぁ、いいから! 着いてきてよ。」
どこに行くのか尋ねると姉ちゃんは俺をどこかへ引っ張って行った。
なんだろう、ものスゴく嫌な感じしかしない…
「ここは……」
俺と姉ちゃんはあるお店の前に立っている。ShowWindowに飾られた女性特有の下着の数々。
透明の入り口の扉の中に見えるのは女性客ばっかり。
ま、まさか…
「何ってランジェリーショップだけど…」
平然とした口調で答える姉ちゃん。
姉ちゃんハメやがったな…
「じゃあ、外で待ってるよ!」
こんな所に入るのは冗談ではないので、そう言って店を離れようとした。が、しかしガシッと再び腕を捕まれる。
「何言ってんの! 一緒に入るんじゃないの!」
「いや、そんな、止めて~~!!」
ニッコリと笑う姉ちゃんは俺の腕を引っ張っていく。
抵抗虚しくズルズルと店の中に引っ張られていった。
てか、そんなに力あるなら荷物1つ持てーー!
店内に入れば赤やピンク、色鮮やかな下着が所狭しと並べられている。
だけど…
「うっ!視線がイタイ…」
周りを見渡せば女性ばっかで男1人の俺は場違いな訳で…
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