第2話 姉ちゃんとお買い物

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「えっ…」 それを聞くと途端に顔が真っ青になる不良。やっぱりこれ言われると青くなるよね。 「すびばぜんでじだ!」 顔を踏み付けられながら謝る不良。何か見てて情けなくなってしまった。 あの時の俺もこんな感じだったのかな… 「次はないからな!」 「お、覚えてろーーーー!」 パッと不良の顔から足を退ける これ以上痛め付ける必要はないからな… すると不良達は典型的なセリフを言いながら去って行った。 「まったく…」 不良達が立ち去るのを見て手をパンパンと叩く。 謝るぐらいならするなっての! 「あの…」 「ん?」 声がしたので振り向くと絡まれいた女の子の姿があった。 何だろう… 「ありがとうございました。私、もう少しで…」 女の子が一礼をする。 女の子が頭を上げると今にも泣きそうなぐらいの涙目で、よく見ると若干肩が震えていた。 余ほど怖かったのだろう… 「気にしないで。ところで、誰かと一緒じゃないのか?」 優しい口調で震えている女の子に語りかける。 このまま1人にしとくのはマズイからな… 「は、はい。あ、来ました!」 少し落ち着いたのか震えもおさまり、彼女がある方へと指さす。 俺も彼女が指差した方向へ顔を向けた。 いや、あれは、気のせいであってくれ。 「キサマ~~! お嬢に何をする!」 姿を捉えたのは190㎝あろう身長に頭に刀傷がある。 その筋の人… それもものすごい勢いでこちらに向かって走ってくる。砂煙を巻き上げI.C.もビックリの速さだ。 「い、いや、俺はその……」 「ナンパか? てめえがお嬢をナンパなんて百年早いんだボケェ!」 こちらに走って来た大男が俺の胸ぐらを掴みながらブンブン揺らす。頭がかなりシェイクされている状態。 今日は俺の命日か…
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