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夕暮れ時、もう日没に近い…
人気のない廃工場に対峙する2つのチーム。決して工事をする人達ではない、みな特攻服を身に纏っているからだ。
ある人達はバイクの爆音を響かせ、またある人達は鉄パイプなど凶器を持って今にも飛び掛かりそうな勢いでお互いに睨み合っている。
それよりも驚くべき事はそこにいる人達はすべて女性だ、男性は1人も居ない。
「待っていたよ。金色のバンパイア…いや、龍ヶ崎 紅!」
一方のチームから水色の特攻服を着た女性がもう一方のチームへ向かってある人の名前を叫ぶ。
皆より少し前へ出て叫んでいるから、多分リーダーなのだろう…
「よく来たねアフロディーテの総長さん。誉めてやるよ!」
叫んだ女性に対し同じ声量で返答する赤の特攻服を着た女性。
龍ヶ崎 紅と言われたその女性はレディースチーム:メデューサの総長で、主人公の姉だ。
腰まである金髪をなびかせ特攻服を着てても女性特有の膨らみが出ている事からスタイルは相当なモノだろう。
さらに化粧をしているが、すっぴんでも綺麗そうな美人である。
ちなみにレディースとは、女性で構成された暴走族の事である。
「ふんっ、相変わらず生意気だね。でも、今日でそんな態度出来なくしてやるよ!」
水色の特攻服を着ているアフロディーテの総長がそう言うと右手を挙げる。それと同時にアフロディーテのメンバーが雄叫びを上げ臨戦体勢に入る。
「はん、神話通り泡に帰してやるよ!」
負けじと紅も仲間に合図をする。
「いくぞぉぉーー!」
「応戦だぁぁーー!」
「「おおぉぉーーー!」」
日が沈むと同時に両者が叫ぶと、2つの塊がまるで荒波と荒波がぶつかるように衝突する。
殴り殴られ蹴り蹴られ一進一退の攻防を繰り広げる両チームだが、次第に荒々しい嵐は徐々に落ち着いていった。
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